東証一部上場企業役員候補の座を捨てて、自分の生きたい人生を送ることを決意し、 世界一周の旅に出る若輩者の日記。
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    戦前戦後に多くの日本人が移民として海を渡った。それは国策でもあった。

    そのような歴史があったことは知ってはいたけど、所詮教科書の中の話で、それがどのような目的をもって行われ、当時はどのような状況だったのか、そして現状がどうなっているのか。ということは全く知らなかった。

    俺はそれを直接知りたくてパラグアイに来たのである。


    ブラジルを中心に南米には日本から多くの人が移民として入植をし、現在でもコミュニティが存在している。もちろん、歴史の中で消えてしまったコミュニティもあるけど、しっかりと現地に根を張り、自分たちだけでなく、その国の発展にも寄与した例も多くある。

    そのひとつがパラグアイにあるイグアス移住区だ。

    P1101935.jpg



    ペンション園田のオーナーの園田さんが、資料とともに丁寧に説明して下さった。
    P1101933.jpg

    園田さんによると、戦前戦後の日本というのは非常に貧しく、国内産業がなかったため、出稼ぎに行く感覚で入植した人が多かったそうだ。
    ブラジルには累計で25万人。パラグアイには1万2000人が移民として来たそうだ。
    当時は船で太平洋を渡り、南米までは45日間。貨物船の船底を改造した船で、800人もの入植者が寝起きをしたそうだ。その移動を想像するだけでも壮絶だけど、狭い甲板を利用して、運動会や赤道祭、柔道や空手、伝統芸能などの文化活動や義務教育まで行われたというのだから当時の日本人が持った、健全さと勤勉さには頭が下がる。

    戦後、移住先国は全てが連合国側だったので、国によっては牢獄に入れられたり、財産を没収されたりして大変な思いをした人も多くいたけど、パラグアイは直接戦争に加担していなかったために日本人に対する対応はよかったようだ。


    P1101934.jpg



    園田さんは1962年に当時11歳で鹿児島から家族9人でパラグアイの地を踏んだ。
    移民者たちは全て自分たちで生計を立てるのが原則で、密林を切り開き、田を耕し、家を建て、町を作っていったそうだ。
    パラグアイでは日本ほど多種多様の野菜を食べる習慣がなく、当時様々な作物を作っても全く売れなかったそうだ。そのために販路を作り、宣伝活動をまさに草の根のように行ったそうだ。

    日本人の生活に欠かせない、大豆。
    大豆は醤油、味噌、豆腐、納豆などの食料はもちろん、燃料にもなるので今はもちろん、当時はより重宝された作物だった。

    今やパラグアイにおける最大の外貨獲得手段が大豆になっているそうだけど、まさにこれは日本人入植者の努力の賜物なのである。

    りんごやメロンなどの果物も日本人が生産性を高めて、パラグアイや周辺国に広めた。当時はじゃがいも、トマト、とうもろし程度しかなかった野菜も今では飛躍的に種類が増え、パラグアイの農業の基礎はまさに日本人が作ったと言える。
    パラグアイに住む日系の方々はこのことを非常に誇りに思っていて、彼らの立ち振る舞いを見ると、自分たちが作ってきた歴史に対する自信が溢れている。


    ここで初めて「日系」という言葉を使ったけど、日系人とはなんだろうか。
    日本人のことは日本人と呼ぶけど、日系人のことは日系人と呼ぶ。園田さん自身もその定義がわからないそうで、自分は日本人だと思っていても、日本から来た人には「日系人」と認識されるそうだ。
    個人的な定義付けとしては、両親が日本人ならどこで生まれても日本人。どちらかが日本人以外ならば、日系人ということになると思ってるんだけどどうだろう。いわゆるハーフか。

    日本人というのはほぼ単一民族であり、歴史的に他民族と交わることがあまりなかったため、血が混ざることに抵抗感があり、さらに言えば無意識的に差別化を図る傾向にあると思う。
    身近にあるのが「在日」という言葉。彼らは一生「日本人」になれないと思う。帰化しても在日は在日と呼ばれる。
    ここで言いたいことは決して彼らを擁護してるわけではなく、日本人に根強く残る民族間による差別感情の批判。


    もし自分が両親は日本人でパラグアイに生まれたとき、日本人から「日系人」と呼ばれたらやはり差別されていると感じるだろう。


    世界には○○系○○人という人が多いけど、これは日本では受け入れられない概念なんだよなぁ。
    だからと言って日本も欧米諸国のようにガンガン他の民族と交わればいいとは全く思わない。日本には日本独自のものがあるんだから、メリットデメリットを認識して他国と折り合いをつけていけばいいんじゃないかなぁと思う。
    問題なのは日本がそれを認識できるレベルに達していないということ。

    内にいるときから悪い意味での日本のガラパゴス化には懸念を抱いていたけど、外から見る日本はよりそれを感じる。

    だからといって、平成の開国だー!っていってTPPに参加するのは間違いだと思う。これは要するに主権の問題で、戦前には主権というものが存在したけど、戦後の日本は連合国に主権というものを奪われただけでなく、その言葉すらも日本にはなくなってしまった。
    同じ敗戦国のドイツを引き合いに出せば、彼らは敗戦後の新国家設立について、教育と憲法だけは自主制定を強く主張して実現したそうだ。一方、日本はご存知の通りである。



    パラグアイの移住区は日本の国土と比べたら極小だけど、ここには主権がある。



    1964年を契機に日本からの移民は激減した。
    東京オリンピックの年である。日本列島改造論が日本中を熱狂させ、高度経済成長を経て経済的には世界から認められる先進国になった。しかし人類史上最速の経済成長で欧米諸国と肩を比べるほどの経済大国にはなったけれど、その歴史は非常に浅く、脆弱である。残念ながら最近の日本、将来の日本を展望すると希望の光を見ることはできない。




    ここまで書いてきてどーいった終わり方をしようか非常に困るw

    全てを知ることはできないけど、知ろうとすることはできるし、考えることもできる。考えることができれば行動することができる。
    そういう貪欲さ。死ぬまで持ち続けたい。世界は広い、そして人は深い。

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    【2012/01/12 02:16】 | パラグアイ Paraguay - 41KM
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    ひとひと
    なかなかジャンルの広い、興味ある記事だった。1964年の東京五輪までも移民があったとは、私が高3の時です。ブラジル移民は時としてマスに乗るど、ここはない。

    ひとしさん
    とる
    まさにAlwaysのときの日本だね。国が成長することを知らない現世の若者からしたら羨ましい時代だよ。物心ついた頃からデフレだからね。それを踏まえて将来考えて行動していかないといけないんだよなぁ。


    -
    >残念ながら最近の日本、将来の日本を展望すると
    >希望の光を見ることはできない。
    日本の将来は明るいですよ。心配ありません。
    南米から見たら日本は天国のような国です。
    何で日本にはそんなに悲観的な人が多いんでしょうね。
    明るく行きましょう!



    ななしさん
    とる
    南米から見たら、ということは南米にいらっしゃるんですね。
    それぞれ環境が違いますが、日本が天国というならば日本に住まれたいいかと思います。

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    コメント
    この記事へのコメント
    なかなかジャンルの広い、興味ある記事だった。1964年の東京五輪までも移民があったとは、私が高3の時です。ブラジル移民は時としてマスに乗るど、ここはない。
    2012/01/12(Thu) 10:59 | URL  | ひとひと #-[ 編集]
    ひとしさん
    まさにAlwaysのときの日本だね。国が成長することを知らない現世の若者からしたら羨ましい時代だよ。物心ついた頃からデフレだからね。それを踏まえて将来考えて行動していかないといけないんだよなぁ。
    2012/01/12(Thu) 11:40 | URL  | とる #-[ 編集]
    >残念ながら最近の日本、将来の日本を展望すると
    >希望の光を見ることはできない。
    日本の将来は明るいですよ。心配ありません。
    南米から見たら日本は天国のような国です。
    何で日本にはそんなに悲観的な人が多いんでしょうね。
    明るく行きましょう!

    2012/11/25(Sun) 15:03 | URL  |  #-[ 編集]
    ななしさん
    南米から見たら、ということは南米にいらっしゃるんですね。
    それぞれ環境が違いますが、日本が天国というならば日本に住まれたいいかと思います。
    2012/11/25(Sun) 18:28 | URL  | とる #-[ 編集]
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